AGV(無人搬送車)とAI(人工知能)の組み合わせ
近年、AI(人工知能)の技術を活かしたさまざまなテクノロジーが発展・発達しており、物流業界も例外なくこの先端技術を取り入れることに注力しています。物流の中でも倉庫業務に関しては「AGV」と呼ばれる無人搬送車とAI技術を組み合わせることにより大きく効率化を図ることができるため、導入を進めると作業時における災害リスクの低減や人材不足の解消などあらゆる課題の解決に繋がります。
AGVの課題をAIが解決
AGVを導入することは搬送作業者の業務負担を軽減することができるほか、ヒューマンエラーの発生を防ぐ・省力化ができることで必要人員数を抑え少ない人数で効率よく業務が回せるようにするなどさまざまなメリットを得られます。そんなAGVも完璧なソリューションというわけではなく、より効果を高めたいと考えた時に課題・問題となる点がいくつかあります。
AGVは倉庫内に設定されたレイアウトに沿って移動するように設計されていますが、このレイアウト変更には手間やコストがかかります。また、AGVは安全性の確保も求められるものであり、事故や故障によるリスクを最大限に抑える必要がある点などが課題となっています。
AGVとAIの活用可能性について
ルートの最適化
前段で解説した通り、AGVは設定されたレイアウトに沿って移動するように設計されていますので、このレイアウトをどうするかは効率化を図るうえで最重要と言っても過言ではありません。搬送の効率性や障害物の存在に合わせてルート設定を行う必要があり、これを最適化することで効率を大幅に向上することが可能になります。AI搭載型のAGVであれば最適なルートを学習しながら走行することができるため、より効率的な倉庫内物流を常に実現することができるようになるでしょう。
障害物の自動回避
AGVの課題の一つにある障害物の回避ですが、通常のAGVであればレイアウトやルートを考える段階で考慮した設計・設定にする必要があります。しかしAI搭載型のAGVを導入することができると、最適なルートを学習する際に安全性も考慮することが可能になることから、その時の状況におけるもっともよいと判断されるルートでの搬送・輸送を行います。これは他のAGVが搬送を行っている状況の共有や画像認識などのセンサーを活用した障害物の認識などさまざまな機能により得られる効果となっています。
保守の予測
機械や設備における潜在的な課題として挙げられる点が修繕や更新など維持・メンテナンスにかかる対応です。設備は業務をよりスムーズに進めるために導入されるものであり、維持やメンテナンスに想像以上にコストがかかる・故障して停止したことで業務に支障が生じるなどというトラブルが起こってしまっては困ります。そのためAI技術を活かすことで故障が起きる前にメンテナンスの必要性を予測し、大きなトラブルに発展する前に手当ができるようアラートを鳴らすことができます。
作業環境への適応
AGVが業務を遂行する倉庫内は必ずしも常に同じ環境ではなく、作業者の出入りや荷物の搬入・搬出など入れ替わりが激しい時もあります。通常のAGVであればこれらの環境の変化は最初に設定しているレイアウトを前提に環境を合わせるという作業が必要になりますが、AI搭載型のAGVであればそれらの作業環境を考慮したうえで搬送を行うことが可能になります。また、人間の作業であれば人の入れ替わりがあった時にもこの環境に適応するためのトレーニングが必要ですが、AGVであれば不要な点も大きなメリットです。
「組み合わせ」が効果を高めるポイント
最先端技術はその多くが単体でもそれなりにメリット・効果を発揮できるようになっています。しかし近年の技術発展・発達はそれらの技術を足し算ではなく掛け算で組み合わせることによりメリット・効果を何倍にも高めます。ここで紹介したAIも包括的利用により作業を効率化することができますので、AGVとAIの統合は物流や製造業界における作業の自動化・最適化に大きく貢献します。
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岡谷システム株式会社
製造業の課題解決に尽力する岡谷鋼機株式会社のグループ会社として、「工場内搬送自動化」の提案からシステム構築までを請け負う岡谷システム株式会社。
グループ会社の知見を活かし、搬送自動化に関わる機器の販売から工場導線に合わせたシステム開発までを一貫して提案しています。工場の導線に合わせた機器の選定・システム構築を通して、企業の業務効率化・省人化に貢献しています。