CTU(コンテナ搬送ロボット)の種類・導入方法
- 岡谷システム株式会社
常務取締役 河原氏
岡谷システム株式会社
常務取締役 河原氏
岡谷システムは、搬送自動化に関わるマテハン機器のシステム開発を行っています。350年以上の歴史を誇る岡谷鋼機株式会社のグループ総合力により、エンジニアリング業務から、システム開発・設備導入までを一貫して請け負うことが可能。
CTUやAGVなど、マテハン機器メーカーのパートナーSIerとしても活動しており、搬送業務の自動化・省人化を叶える提案を得意としています。
CTU(コンテナ搬送ロボット)とは
CTU(Carton Transfer Unit)とは、コンテナ搬送ロボットのこと。企業よって呼び名が異なり、ケースハンドリングロボット「ACR」とも呼ばれています。
CTUは、ケースの自動搬送・自動格納が可能。 床に敷設された2次元コードを読み取りながら自律的に走行し、棚からケースをピッキングしたり、格納することができます。
CTUの保管スペースは移設・増設が可能。また台数を増やすことで入出庫能力を上げられるなど、CTUを活用することでGTP(Goods to Person)を実現できます。
コンテナ搬送ロボットの近年の傾向
ロボットは物流業界、製造業界、飲食業界、医療・介護業界など幅広い分野で活躍しています。現在においても多く導入しているのが物流業界です。近年、製造業界では人と共同で作業できる「協働ロボット」が注目されています。
これまでは安全上の理由から人との距離を保ちながら作業をしてきましたが、安全性の向上によって法律が緩和されたため、人とロボットが共同で働けるようになったのです。
コンテナ搬送ロボットは、コンテナを箱から取り出して自動で搬送するロボットです。高い場所への入出庫が可能であり、作業者の負担や歩行距離を減らすことができます。複数の箱を取り出して一気に搬送するタイプもあり、コストや場所の関係でロボットの導入が難しかった中小企業の生産ラインもこれからはロボット導入が進むのではないでしょうか。
反対に、人手不足と言われている建設業界のようにロボットの導入が進んでいない業界もあります。今後の展開に期待しましょう。
コンテナ搬送ロボットを導入するメリット
処理能力が向上する
冷蔵・冷凍庫といった人にとって働きにくい環境や危険な環境での作業もロボットなら作業可能です。
物流ロボット導入により、時間当たりの処理能力を引き上げることができます。高い性能を持つロボットであれば、人力では不可能な高速処理も実現可能です。人力では対応に限界を感じている現場も多いと言われています。ロボットが人の代わりに作業を担うことになれば、このような課題もクリアすることができます。
人が歩く距離が短縮される
コンテナ搬送ロボットは5m以上の棚への格納が可能です。人では作業できない空間を有効活用できます。コンテナ搬送ロボットは複数のコンテナを搬送することができるため、CTUの走行距離が減り効率的な運用が可能となります。
また、運ばれた商品をワークステーションでピッキングするGTP(Goods to Person)機能で人が歩く距離が短縮されるため、ピッキングの効率が上がるでしょう。
人手不足により人件費の高騰の影響を受けやすいのが倉庫内業務です。ロボットを導入することで人件費の削減することができます。
ミスを減らすことができる
ロボットではないのですから、どんなに注意をしていても、ていねいな仕事をしても人はミスを犯します。ロボットはヒューマンエラを減らし安定した品質の製品を生み出すことができます。大きな荷物を扱う倉庫では臨時の従業員を雇って作業をおこなっているところが多く、初心者とベテランでは品質にバラツキが出ます。バラツキを解消するのは難しいため、自動化は大きなメリットとなるでしょう。メリットが多いように思われがちですが、デメリットもあるので自社のオペレーションに敵しているかを慎重に見極めてか導入を検討してください。
CTU(コンテナ搬送ロボット)の種類とメーカー例
HIKROBOT
HIKROBOTは、中国の浙江省・杭州を本拠点としている企業であり、世界30カ国に対してグローバル展開。1,500人以上の研究開発スタッフを擁して「搬送ロボット」「AI・マシンビジョン」で高い技術力を有しています。
HIKROBOTのCTUは、可搬量5~7つのうち、搬送ケース数や棚の高さなど、使用用途に合わせて7種類のタイプから選択が可能。スピーディにケースをピックアップできることが特徴です。
CTU(コンテナ搬送ロボット)の導入までの期間とフロー
CTUの移動距離や導線によって異なりますが、問合せからシステム構築、導入までは約6~10ヶ月程度。
導入までのフローは以下の通りです。
①要件確認及び概算見積
工場内において、どの搬送部分をどの程度の能力で自動搬送したいかを確認します。 その後、CTUの搬送先である倉庫に必要な保管能力や、搬送するケースのサイズを確認します。
概算見積では、レイアウトやCTUの台数、機種を決定。必要に応じてシミュレーション結果を提示してもらうことも可能です。
②詳細な仕様確定
CTUで保管するケース数や入出庫する際の引当ロジックなどの運用面を決定します。
人が作業する場所(ワーキングステーション)から、CTUへケースを受け渡しする際、デジタルピッキングシステム(DPS/DAS)などの設備連携が必要な場合、連携方法を決めます。
③導入準備~走行テスト
CADデータにて、CTUの走行ルート・マップなどを決定します。 実際の工場や倉庫の寸法を計測したり障害物を確認し、CUTが干渉しないよう床に走行用の2次元コードのラベルを貼付したり、必要に応じてWi-Fi環境の整備を行います。
システム構築の完了後、実際に試運転を行い、実際の業務と同様に動作させてテストを実施。 これまで通り搬送業務をスムーズに行えるかを確認します。
④本稼働立会い
工場内で本稼働を実施。問題が無ければ検収のうえ、稼働開始となります。
岡谷システム株式会社
常務取締役 河原氏
倉庫のピッキング作業は多くの人員を必要とすることから、近年省人化施策としてCTUの導入が加速しています。
CTUは、同じく資材の搬入・搬出を自動化できる自動倉庫とも比較されています。CTUは、自動倉庫と比べてレイアウトが変更し易く、保管棚の移設・増設も可能なため、選択されることが多くありますが、現状の課題に合わせて提案させていただきます。
岡谷システムは、岡谷鋼機グループのネットワークを活用し、マテハン機器の選定・導入・システム構築までワンストップでの提供も可能です。ぜひCTUの導入時は一度お問い合わせください。
CTU(コンテナ搬送ロボット)の導入メリット
保管場所を省スペース化できる
CTUを導入することで、高所への入出庫が可能になります。このため、人の作業では届きにくい高所も有効に活用することができます。
また機器の幅が比較的コンパクトなため、従来の倉庫より狭い通路幅で倉庫を運用することも可能です。
負担を減らし、効率的に運用ができる
作業員の負担を軽減できる点もメリットです。製品や資材などを運ぶ作業は肉体的な負担が大きく、また高所作業は危険が伴います。
CTUを導入することで、歩行レスでケースのピッキング作業(GTP:Good to Person)が可能に。また一度に複数の製品を搬送できるため、効率的な運用ができるようになります。
ヒューマンエラーを減らせる
搬送業務の自動化により、ピッキングミスを低減することが可能。そのほか、群制御によりCTU同士の交差点やすれ違い制御などもシステムで実現できます。
運搬作業のスピード等のムラが無くなることによる生産性の向上も期待できます。
CTU(コンテナ搬送ロボット)と一緒に導入される
マテハン機器は?
CTUは、例として以下のように活用されています。
- 自動倉庫とCTUの比較・・・工場内レイアウトのフレキシビリティを重視
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CTU / デジタルピッキングシステム(DPS/DAS)との連携
・・・CTUでピッキングしたケースは、人の手に渡るまでに一度ラックに置く導線を設計することがあります。その場合、どの棚に置かれたかをデジタルピッキング方式(DPS)で知らせることができます。
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労働力不足とコスト削減、変種変量の生産を目的として、搬送自動化が重要なテーマとなっています。
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- 他にも活用されているマテハン機器
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岡谷システム株式会社
製造業の課題解決に尽力する岡谷鋼機株式会社のグループ会社として、「工場内搬送自動化」の提案からシステム構築までを請け負う岡谷システム株式会社。
グループ会社の知見を活かし、搬送自動化に関わる機器の販売から工場導線に合わせたシステム開発までを一貫して提案しています。工場の導線に合わせた機器の選定・システム構築を通して、企業の業務効率化・省人化に貢献しています。