AMRの識別機能について
AMR(自律走行搬送ロボット)の識別機能とは、工場や倉庫での安全な自律走行を支える重要な仕組みのこと。周囲の環境や人、障害物、搬送物を多様なセンサーと認識技術で検知・識別し、柔軟かつ効率的に搬送業務を行います。複雑なレイアウトや人と機械が混在する現場でも正確に状況を把握できるため、生産性の向上や事故リスクの低減に寄与する機能として注目されています。
AMRの識別機能とは
周囲の環境や人、搬送物を正しく認識することで、安全かつ効率的な自律走行を実現する識別機能搭載のAMR。導入前に理解しておきたい重要なポイントをまとめました。
環境や自己位置の認識
カメラやLiDAR、超音波センサーなどを使い、周囲の状況を計測して、その情報をもとに自動で工場内のマップを作成。地図上における自己位置をリアルタイムで推定する仕組みも備えています。
代表的な技術であるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、地図の作成と自己位置の推定を同時に行えるため、床に誘導用のラインやマーカーを設置する必要がありません。複雑な工場レイアウトにも柔軟に対応でき、現場のレイアウト変更があってもスムーズに走行を続けられます。
障害物・人の識別/回避
レーザースキャナーやカメラを用いた画像認識により、障害物や人をリアルタイムで識別。検知した対象を避けるように経路を自動で調整するため、稼働中の工場でも安全な搬送が可能です。
従業員の移動や突発的な障害物にも対応できる点は、生産ラインの安定稼働を支える大きな安心材料。衝突回避のアルゴリズムも進化しているため、混雑したエリアにおいても安全性の維持が期待されます。
荷物・搬送物の識別
AMRには、搬送する荷物を正しく見分けるための識別機能が搭載されています。2次元コードやバーコードの読み取りに加え、画像認識システムを活用すれば、荷物の種類や行き先も自動で判別可能です。
この機能を活用することで、さまざまな製品を扱う現場でも誤配送のリスクを最小限に抑えることが可能。作業の精度向上や人手の削減につながります。
さらに、AIによる解析を組み合わせれば、不良品の検知や在庫管理などの役割を追加搭載することもできます。
用途に応じた複数センサーの組み合わせ
AMRの識別精度は、搭載するセンサーの種類や組み合わせによって大きく変わります。たとえば、単眼・ステレオカメラ、IMU(慣性計測装置)、ToFセンサー、超音波センサーなどの中から複数のセンサーを組み合わせれば、暗所や反射の多い場所など、様々な現場環境に応じた適切な仕事をします。
これらの特性は、導入時の評価における重要な判断基準のひとつです。必要なセンサーの組み合わせに絞り込めば、コスト効率の最適化にもつながります。
安全性確保
現場での安全確保を目的とした各種識別機能もAMRには搭載されています。
たとえば、障害物を検知すると速度を落とす機能、状況により自動的に停止する機能、非常停止ボタン機能など。搬送効率を高めつつ、これらの機能は搬送効率を維持しつつ、人と機械が安全に共存できる環境の構築に寄与します。
導入時には、機能一覧の確認に加えて、労働安全衛生法などへの適合状況を事前に確認することが大切です。
物体色や床面の認識
AMRには、画像認識を応用して物体の色や床面の模様を識別する機能を搭載することもできます。
たとえば、特定の色を持つ荷物を選別する機能や、床面の模様を利用して位置を補正する機能など。これらの機能により搬送精度が高まり、微妙なズレや誤差を抑えることが可能となり、結果として、製造工程全体の効率改善へとつながります。
特に精密機器や食品など、精度の高さを求められる現場では、これらの機能が効果を発揮するでしょう。
まとめ
AMRの識別機能は、環境や自己位置の把握、障害物や人の回避、荷物の認識など多岐にわたります。
複数のセンサーを組み合わせれば、現場ごとの条件に合わせながら精度や安全性が向上。工場や倉庫において、人と設備の協働による効率的で安定した搬送業務が可能となります。
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岡谷システム株式会社

引用元:岡谷システム公式HP
(https://www.okaya-system.co.jp/)
製造業の課題解決に尽力する岡谷鋼機株式会社のグループ会社として、「工場内搬送自動化」の提案からシステム構築までを請け負う岡谷システム株式会社。
グループ会社の知見を活かし、搬送自動化に関わる機器の販売から工場導線に合わせたシステム開発までを一貫して提案しています。工場の導線に合わせた機器の選定・システム構築を通して、企業の業務効率化・省人化に貢献しています。